マリナーズなど大リーグで19年プレーしたイチロー氏(51)が21日、米野球殿堂に選ばれた。有資格1年目ながら投票率99.7%の圧倒的な支持を得た。
- 「伝説」を生んだイチロー氏の一投 その裏にあった怒りのエネルギー
そんなイチロー氏に夢中になった人がいた。米ワシントン大教授で英語を教え、作家・映像作家のデービッド・シールズ氏。没頭しすぎて「イチロー語録」を集めて出版したシールズ氏に、イチロー氏の魅力を聞いた。
――昔からマリナーズびいきだったのですか。
「私はカリフォルニア州ロサンゼルスで生まれたのでドジャースのファンです。約20年前に大学で教える仕事を受けたため、引っ越しました」
――イチロー選手にはまったきっかけは。
「娘が彼に夢中になったこともありますが、一番は彼の発言や言葉の選び方にひかれました。とても過程を大切にし、プライドと謙虚さが入り交じっている気がしたのです。首尾一貫した哲学を知りたいとも思いました」
――言葉なのですね。
「私は以前、米プロバスケットボールNBAのスーパーソニックスなどで活躍したゲイリー・ペイトン氏のトラッシュトークなどに焦点を当てた本も出しています。アスリートが言語を使ってどう文化に強烈な影響を与えるのかに興味があります」
――イチロー氏の発言で印象にあるのは。
「好きなフレーズはたくさんありますが、そのうちの一つが2001年にカリフォルニア州オークランドで行われたアスレチックス戦での言葉です」
「米紙シアトル・タイムズによると、右翼の守備に就いていたら敵地のファンから氷や硬貨を投げられたそうです。そのことを聞かれた際、通訳を介してこうコメントしています」
「『何かが空から降ってきて当たった。雨なのかお金なのか分からなかった』と。『日本では神様がアルミ缶を投げてきたこともある』とも話したとあり、見事ですよね」
――見事というのは。
「試合があったオークランド…